研究

明神海丘熱水噴出域に行ってきました

深海の熱水噴出域の生物の研究のために、伊豆小笠原海域の明神海丘カルデラへの新青丸/ハイパードルフィン航海に行ってきました。 明神海丘は、私たちが深海生物研究のホームグラウンドにしている場所で、研究対象にしているシチヨウシンカイヒバリガイやマ…

世界のメダカ館

今週は岡崎の基礎生物学研究所で会議でしたが、早めに出て東山動物園に寄ることにしました。 東山動物園は、東山公園駅からすぐ。 ゾウを横目に、目指すは世界のメダカ館。 メダカ属魚類を多数ゆっくり眺められて、幸せな気持ちになります。 魚の写真は、大…

ミドリイガイ

タイ湾(台湾ではありません)の西側一帯の海岸は、市街地、工場、ビーチ等モザイク状に分布しています。 色々な排水が海に流れ込みます。 排水には何が含まれていて、どれほどの影響があるのか。 そして、あちこちでミドリイガイの養殖がおこなわれています…

カニのエラへのムラサキイガイの寄生

たまたま、見つけた文献。 http://link.springer.com/article/10.1007/s12526-016-0631-x ムラサキイガイ(正確にはヨーロッパイガイ)がカニの鰓に寄生しているという報告です。 殻につくのはありそうな話ですが、鰓にくっつくのは驚きです。

ムラサキイガイ群集

「ムラサキイガイは船舶や水中施設に付着して機能を損なう。」 と、講義等でよく話をするのですが、なかなかムラサキイガイが立派な(?)群集を作っている写真を撮る機会がありません。 そう都合よく貝を付けた船のお腹を見る機会もある訳がないし、堤防に…

新青丸/ハイパー

先週、初めて新青丸に乗船しました。 しかも、無人探査機ハイパードルフィンとの組み合わせ。 ハイパードルフィンの母船だった「なつしま」が退役してしまったので、新たな試みです。 行先はいつもの明神海丘の熱水噴出域。 出港前からの天候悪化の予報は見…

発信する前に出典確認

学術論文では、「これまでわかっている事実」を書くときには、必ず「出典」を記載します。 どの本や論文から得た情報かを示すことで、その事実や説の責任者を明らかにするのです。 (これはただの例です) 学術論文に限らず、Wikipediaを利用したことのある…

似てるけど違います

先月インドネシアのショッピングモールでで撮った1枚。 インドネシアのフライドチキンのチェーンですが、 フルネームはCalifornia Fried Chickenだそうです。 インドネシアにはKFCもあるのですが…。 アメリカの地名どうしだし、ロゴも似ています。 さて、日…

タイのメダカ生息地訪問

シンポジウムの一環として、周辺のメダカの生息地に連れて行ってもらいました。 タイメダカの生息地の湿地。牛が散歩しています。 こちらの場所はハスがたくさん生えています。 ハスの実は食べられます。参加者が実を取り出しています。 これは実をちょっと…

シンカイヒバリガイの新しい適応戦略

シチヨウシンカイヒバリガイ(プロフィール写真の貝です)の新たな適応戦略の発見についての共著論文が出版されました。 JAMSTECから詳細なプレスリリースが発表されています。熱水噴出域の動画へのリンクもある力作です。 ついでにごく簡単な解説も書いてみ…

海洋アライアンス「海を知ろう」

海洋アライアンスは東大の海の研究者の横断的組織です。 そのホームページが最近リニューアルされ、「知って楽しい海の話」というコーナーができました。 私も研究もここで紹介して頂いているので、ぜひご一読ください。 さすがプロの文章はわかりやすい!

ANPが癌の再発を防ぐ

心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が、癌の再発を防ぐ効果を持ち、その臨床試験が始まるというニュースが報道されていました。 ANPは、心臓が作る珍しいホルモンで、よく似た構造のBNPやCNPとともに、ホルモンファミリー(NPファミリー)を形成しています…

深海生物を飼えたら

深海生物を研究する上で一番のネックは、研究材料の採集です。 一度採集してしまえば、DNAやRNAの研究はできるのですが、機能を調べようと思うと、生きている材料が必要です。 私達は毎年、海洋研究開発機構の深海研究船の公募に申請して、採択された時だけ…

黒潮のパワー

今年の航海はお天気に恵まれ、波も静か。 船酔いでダウンする人もなく、これ以上の条件はない。 と、言いたいところですが、海の中に問題がありました。 黒潮が調査海域にかかっていたのです。 (海上保安庁の海流図はこちら:調査海域は、八丈島(13)に対…

朝から横須賀へ(4月24日)

海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究船「かいよう」乗船のため、早起きして横須賀へ向かいます。 秋葉原に6時前に到着。 京浜東北線への乗り換えは、多数の乗客が猛ダッシュ。 こんな早朝から、圧倒されます。 とはいえ、負けないようにダッシュして品川へ。 …

コイの産卵

この写真、カモをとったわけではありません。 その手前の水しぶきに注目です。 コイが浅瀬に来て産卵しているのです。 コイには、いくつかの系統があります。 身の周りでよく見かけるコイは、実はほとんどが外来の系統。 日本固有の系統は希少になっています…

海に漂うプラスチックの粉

理系であるにもかかわらず、昔からケミストリーは得意ではありません。 ケミストリーと言っても、川畑・堂珍のヴォーカルユニットのことではなく、「化学」のことです。 なぜ「ケミストリー」と呼ぶのかというと、「かがく」と発音すると、「科学」と区別が…

アルビンガイ類の名前

アルビンガイ類の新種名が記載されたのですね! http://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/14772000.2014.970673 底生生物分野の小島先生の名前にちなんだ種も。 これのことですね。 http://www.ecosystem.aori.u-tokyo.ac.jp/benthos/kojima21.htm

九州大学で水産学会(続き)

さて、学会の内容についても少し書きます。 ゲノム編集のミニシンポジウムと、Calycinのシンポジウムは大変面白く聞かせていただきました。 魚類のゲノム編集技術はあっという間に進歩して、遺伝子の操作の部分はもう完成の域に達しているようです。 しかし…

新江ノ島水族館で打ち合わせ

一昨日は新江ノ島水族館に研究打ち合わせに行きました。 エノスイの皆様は、研究船上での生物の仕分けや管理を一手に引き受け、下船後も飼育方法の研究を重ね、飼育困難な深海生物を長期間維持管理して下さる心強い共同研究者です。 熱水噴出域や冷湧水域の…

デング熱とカダヤシ

研究の一環として、東南アジアのメダカの分布調査をしています。 しかし、多くの地域では、メダカがいそうな多くの池や田んぼは、メダカではなくカダヤシに占拠されています。 例えば、少し前の記事に書いたベトナムの用水路。 メダカはいないと書きましたが…

進化学会ワークショップから京都へ

進化学会のワークショップ「進化の駆動因としての極限環境適応」が無事終わりました。小ぢんまりと落ち着いた雰囲気で、面白い話がたくさん聞けて、なかなかよかったのではないかと思っています。演者の先生方どうも有り難うございました。 学会本体にももっ…

図の変換

いい天気です。そろそろ駅から歩くのがつらい季節になりました。 なるべく木陰のあるルートを選んで歩きます。 さて、共同研究者から送られてきた図を何とか投稿用に改造しようと、朝から頑張ってみたのですが、一度ワードやパワポに貼られた図は、どうしよ…

日本のメダカ

東南アジアで熱心にメダカを探している一方で、日本の野生メダカには最近なかなかお目にかかれません。 最近、研究室のメンバーから「あそこにいますよ。」と教えてもらった場所があって、そこに行ってみました。 じっと静かに待つこと数分…あっ、いました。…

ニャチャン市街

帰国の前日、町はずれの川沿いを散歩してみることにしました。 スタートはウォーターフロントのホテル前。バイクがたくさん走っていますが、海岸通りは意外に簡単に渡れます。東南アジアにも大分慣れたのかなとちょっと自信を持ちます。 海に背を向け、街中…

メダカはどこに?

会議が終わって、ベトナムの研究者とメダカ探しに出かけます。 日本のメダカは世界中で実験動物として使われています。 実験動物としてとても使いやすい魚だからです。 東南アジアでも日本のメダカで実験すればよいという考え方もありますが、地元の種を使う…

ベヨネーズ列岩

はじめて「なつしま」研究航海に参加したのは10年前。明神海丘への航海でした。それからほぼ毎年明神海丘に通っています。初めてのときには、どこにあるのかよくわかっておらず、地図に載っている「ベヨネーズ列岩」の近くらしい、と言う程度の認識でした。…

なつしま研究航海NT14-06

なつしま研究航海NT14-06に行ってきました。 出航日(4月11日)は朝から京浜急行が川崎・横浜付近が不通でヒヤヒヤでしたが、何とか乗船時間に間に合いました。波乱の幕開けでしたが、天候はさほど悪くなく、翌12日は明神海丘でサンプルを取ることができまし…

スラウェシ島でのメダカシンポジウム

メダカは日本では身近な魚として誰もが知っている魚です。しかし、メダカ(Oryzias)属のなかでメダカは最も北に生息する種で、同じ属の仲間(近縁種)は主に東南アジアに棲んでいます。それぞれ特有の環境に棲んでいるので、生態学的、生理学的、そして環境…

マレーシアで生物調査

ジョホールバル郊外の海域での生物調査に参加しました。 マレーシアとシンガポールの間の海峡にある海草群落です。 朝暗いうちにボートに分乗して出航し、明け方、目的の海域に着くと…ボートを止めてみんな歩き出します。そう。海峡の中央に近いのに、ここは…