初めての英語プレゼンテーション

英語の論文が読めて、英語の論文が書けるようになれば、英語でプレゼンすること自体はそれほどの難関ではないように思います(質疑応答は別として)。図表と原稿をきっちり準備して、あとはその通り実行するだけです。ただし、英語に十分自信がある人以外は、日本語の発表よりさらに準備に時間をかけ、とにかく練習を重ねることが必要です。
 
私が初めて国際学会で発表した時には、図表と原稿を本番の1週間以上前につくって、さらにスムーズに話せるように改良して、最後は小さなジョークまで原稿に書き込んで完成させました。そこから本番までは原稿を暗記して、何も持たずに話せるように覚えこみました。指導教員にチェックを受ける立場の人は、もっと早くから準備しておくべきでしょう。
 
発表の方法自体は日本語での発表とあまり変わらないのですが、私は英語発表の時に以下のことに気をつけています。

・アクセント:それぞれの単語のアクセントを原稿に書き込みます。アクセントをはっきりさせると発表がぐっと英語らしくなります。(これは昔ある先生から教えてもらいました。)

・文章を短くする:論文よりも、文章の一つ一つを短くする必要があります。関係代名詞でつないでいるような長い文章は、短い文に分けます。図を使いながら説明するので、短文に分けても説明できると思います。

・正しい場所で切る:長い文章が避けられない場合、どこで間を置くとわかりやすいか考えておきます。(日本語でも句読点の打ち方が下手だと判りにくいですよね)。The answer is,…とかIt means that,…などのあとにちょっと間をおくのも、英語らしい(電車の自動アナウンスの”The next stop is …Ochanomizu”はよい見本です)。他にもネイティブの人の話し方を日ごろからよく観察しておくとよいでしょう。

・あわてない:つながりのない文と文の間は、あわてないで一呼吸置きましょう。
 
以上の準備で臨んだ私のデビュー戦は成功でした。仕込んだジョークに外国人が笑ってくれましたから。それだけでなく、その時の発表は、色々な人が見てくれていて、それをきっかけに他の集会などにも誘ってもらえるようになりました。発表は研究内容だけでなく、自分自身のアピールの場でもあるのです。