コンビニの増殖

この半年ほどで、自宅の近所にコンビニが何軒も増えました。
それも殆どが同じ系列のチェーン。
こんなに近くに集中していてよく経営が成り立つものだと思いますが、コンビニは配送が鍵なので、メリットがあるのです。
(昔、コンビニの本社や支社への営業に同行したこともあるので、多少は勉強した。)
 
コーヒーにドーナツ(ドーナッツ?)、最近は他業種にも切り込んで成功しています。
確かにコンビニでコーヒーが買えるのはコーヒー好きには大変有難い。
東大農学部の門前のコンビニなど、相当売り上げがあるのではないでしょうか。
 
コンビニの成功は、見方を変えると、コーヒー店ドーナツ店の脅威ということになります。
コンビニが勝ったら、専門店が無くなっていきます。
そうすると、街にはコンビニしか残らなくなります。
 
コンビニは全国どこでも売っているものはほぼ同じ。
それが安心感になって買い物がしやすい。
トイレも借りられるし、夜も明るい。
被災地で復興の拠点になったり、新たな「よろずや」として地域に活性をもたらす力もある貴重な存在でもあります。
 
しかし、一方で、コンビニだけになったら、例えば、「こだわりのコーヒー」なんてなくなり、多様性が失われていきます。
 
そうすると、多様な店がある場合より、買える品数は圧倒的に少なくなる。
(ネットショップの窓口にしてカバーしているチェーンは賢いなと思いますが)
値段にも多様性がないので、高い買い物をすることになる。
しかも品ぞろえは、基本的には長距離配送しやすい商品が中心になる。
(例えば、生鮮品とか、「作りたての弁当」などは弱い。)
 
ついでに言えば、品ぞろえが同じなので、買い物に頭を使わなくなる。
そして、もし大手チェーンが倒産でもしたら、その影響は計り知れない。
 
生態学的には、多様性の喪失は、絶滅の可能性を高めると考えられます。
専門店にもぜひ頑張ってもらいたいものです。