剽窃論文は科学にブレーキをかける

剽窃(ひょうせつ)。
漢字で書けと言われても書けないし、これまで使ったこともないようなこの言葉。
最近になって日々向き合うことになりました。
 
学術雑誌の事務局や編集委員は、投稿されてくる論文原稿が剽窃していないかチェックします。
これを見逃すと、雑誌自体の失態になりますし、一旦掲載してしまったら、取り消すのは大変な労力がかかります。
 
実際、剽窃で作成された原稿は投稿されて来ます。
かつてコピペでレポートを書いたらばれると書きましたが、それは自分の専門分野に限っての話。
専門外の論文を担当すると、見抜くことはほぼ不可能。
ということで、最近では剽窃チェックのソフトウエアもあります。
しかし、その結果を見て、どこまで怪しいか、最終的には編集委員が頭を悩ますことになります。
編集委員は、学会のリーダー格の先生方ですから、その方たちがその処理に貴重な時間を使うことになります。
つまり剽窃論文は、それ自体が違反行為であるだけでなく、その分野の科学の進歩にブレーキをかけているのです。