それって「学問の自由」のせい?

大学の研究者が標的型サイバー攻撃のターゲットになり、政策の情報が漏洩したとの記事を最近読みました。
 
大学教員は最も重要な仕事として論文を書きます。
論文を書くと、内容について問い合わせができるよう、所属機関とeメールアドレスなどの連絡先が掲載されます。
また、公的資金を使う研究者は、情報開示の原則から、研究内容はもちろんのこと、職歴や各種役職までネット上に出ます。
標的型攻撃に必要な情報が露出している大学教員は、官庁や企業よりずっと攻撃されやすい立場にあります。
 
攻撃から防衛するためには、防衛のための資金が必要です。
最近の大学の予算は、経常的な運営交付金は削減され、競争的資金の割合が多くなっています。
競争的資金は、提案した研究のために使用するものなので、サイバー攻撃の防衛には使えません。
少なくなった経常的予算の余力でできることには限界があると思います。
 
決して、「学問の自由」を盾に管理されることを嫌う教員の意識とか、部局の足並みの乱れとかが本質的な問題ではないと思うのです。
 
いじめられる側のやり方を責めるのでなく、支援する方法を。
そして、いじめる側を止めることをもっと考えてほしいと思います。