電子ジャーナルより修論発表会から得るもの

最近、学術雑誌は急速に電子ジャーナルへと移行し、だんだん紙に印刷された冊子体のない雑誌が増えつつあります。冊子体には、ページをめくるうちに、自分が読もうとしている以外の論文が目にとまって興味が広がる楽しみがあります。
 
それでも冊子体が減るのは、電子ジャーナルのほうが低コストであることに加え、検索が容易で、瞬時にダウンロードできる便利さにはかなわないということでしょう。自分自身、図書館に行く機会も、冊子をめくる機会も激減してしまいました。
 
探したい情報には容易にアクセスできるけれど、意図せぬ面白い情報に出会う確率が減る。この流れは、学術雑誌だけではなく、学会の大会でも同じかもしれません。
 
ある学会の大会は、以前はすべて口頭発表で、しかも会場が2会場しかありませんでした。どちらかの会場にずっと座っていれば、自分の専門に近いものから遠いものまで最新の研究を概観することができる、お気に入りの学会でした。残念ながら、今はその学会も規模が大きくなって、よくあるシンポジウム+ポスターセッションのスタイルになってしまいました。ポスターセッションだと、興味がある研究についてじっくり話ができるのですが、意外な情報に遭遇する機会は減ってしまいます。
 
来週は、各研究科の修士論文発表会が続きます。
私は現在3つの研究科を担当しているので、月曜日から金曜日まで5日連続です。
ずっと座って聞くのはつらいですが、色々な分野の研究室の学生の発表を聞ける分、思わぬ情報に出会うことがあります。その点では、結構楽しみでもあります。