「忙」について

「忙」という字は、心を亡くすという意味からきたそうです。
大変な状況を比喩的に表す、よくできた漢字だと思います。

ところが、この字は縁起が悪い、あるいは相手に失礼にあたるという理由で、手紙には「ご多忙」とは書かずに「ご多用」などと書く方もいるようです。
国語の専門家ではない私には、これが正しいことなのかどうかよくわかりません。

気にする方がいるとすれば、念のため「忙」は避けておくと無難かなとも思うのですが、この発想では悪い意味の言葉は全く使えなくなってしまいます。

例えば、「ご多忙のところ恐縮ですが」は、全体では相手の方の大変な状況を思い遣っているのですから、私は個人的にはあまり問題を感じません。
むしろ無用に言葉を狩って、文化を破壊したくない気がします。
 
さて、自分自身はなるべく「忙しい」と言わないようにしています。
以下、過去に書いた文章からのコピーです。
 
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なるべく「忙しい」とは言わないようにしたいと思っています。
「忙しさ=仕事の量/能力」で決まるので、
「忙しい」のは分子が大きい場合もあれば、分母が小さい場合もあります。
というわけで、あまり「忙しい」を連発すると
後者に見えそうな気がしてしまいます。