科研費申請に思う

昨日は科研費の学内締切でした。
科研費が取れるかどうかは研究室の運命を左右します。ですから、先週のインドネシア59日出張から続いている体調不良をおして、週末も返上で、とにかく全力で仕上げて提出しました。
 
科研費の申請は、今は基本的には電子申請です。昔よりずいぶん楽になりました。昔は必要部数を紙に印刷して糊で綴じ、隅っこに色まで塗らなければならなかったのです。電子申請だと締切ぎりぎりまで粘れるので、当然内容の平均的レベルが上がってきます。綴じ方の巧拙で損をすることもありません。そうすると、より本質的な内容が問われるのではないかと思います。
 
考えてみれば、学会発表の準備もそうです。昔はずいぶん早くにスライドを焼いてしまわなければならなかったのが、今では直前までパワポを改善できます。昔よりプレゼンテーションのレベルが上がるのは当然です。
 
さらに考えると、実験も同じです。DNAの配列などRIでラベルして大きなゲルに泳動し、1塩基ずつ読み取っていたものが、今ではものすごい数の塩基数があっという間に読まれてしまいます。研究のレベルは当然上がります、いや、上がるはずです。
 
ふと自問自答してしまいます。「本当にレベルは上がっているのだろうか?」、「準備が怠惰になっただけではないか?」、「ただ楽をしているだけではないのか?」。
技術の進歩に甘えるのでなく、それを活かしてより前に進んでいると自信を持って言えるようになりたいものです。