普通なことはすごいこと

国際交流に関わる仕事をするようになって、海外のホテルに宿泊する機会が増えました。
海外のホテルに泊まって驚くのは、部屋の設備が壊れている確率が非常に高いことです。とくに東南アジアでは、何もなかった部屋の方が少ないぐらいで、トイレのフラッシュが壊れていたり、シャワーの湯が出ないことなど日常茶飯事で、窓の鍵が壊れているとか、エアコンから水が落ちて来るとか、部屋にアリが行列を作っていたとか、とにかく色々なことが起こります。安宿なら仕方がないのですが、中級以上のホテルでも起こるのです。
「文句を言わない日本人」と舐められるのも癪なので、できるだけ修理や部屋の交換を要求するのですが、修理の後も全く改善されていなかったり、交換後の部屋に別の問題があったり、成功の確率は必ずしも高くありません。そもそも、ホテル側がその程度のことはあまり問題に感じてくれないように思えます。
日本ではかなり安いホテルに泊まっても、トイレが壊れていたことは殆どないし、シャワーも高層階以外では湯が出なかったことは殆どありません。どんな設備でもちゃんと整備されているのは、実はすごいことなのだと実感します。
 
ちなみに、シャワーの湯が出なかったあるホテルでは、文句をいった結果、プラスチック桶が提供されました。洗面所では湯が出たので、これで湯を汲んでかぶれば解決ということらしい。窓の鍵が壊れていたホテルでは、鉄格子がある部屋に交換してもらったら、今度は窓自体がぴったり閉まりませんでした。エアコンの漏水のあった部屋は、修理後、修理前の2倍のペースで水が落ちて来るようになりました。おそらく、無駄に触って排水管の亀裂を広げたのでしょう。プラスチック製のごみ箱で受けてしのぎ、翌日部屋交換となりましたが、交換前より汚い部屋になってしまいました。アリの行列のホテルは、満室だったうえ、近くに他の宿もなかったので、殺虫剤を買って来てもらって妥協しました...。