体調不良で海外出張
実は今回のマレーシア出張、出発直前に風邪をひいたのです。
症状は軽いし、峠は越えたと判断して強硬出陣。
でも飛行機で疲れ、ホテルに着いてから、再び発熱。
ホテルの部屋がそれほどひどくなかったのは幸いでした。
持ってきた薬を飲んで寝ようとしたのですが、寝たと思ったら周期的に咳が出て目覚める。
何度も繰り返すうち、エアコンの動作と相関している気がしてきて、
エアコンを開けると、フィルターが真っ黒。
夜中に自分でフィルターを洗う羽目になりました。
ふと窓から外を見ると、明けの明星が….。(写真上端の右寄りの方にあります)
(ちなみに、一見自然あふれる風景のようですが、ただの木の生えた空き地です。)
幸い、この後1日でかなり回復して、仕事はできました。
念のため、再び悪化した時に備えて、町の中に薬局があることを確認。
それから、ホテルの目の前に、医院があることも確認。
共同研究者が、いざとなったら大学病院を紹介してやると言ってくれたのも心強い。
マレーシアは医療のレベルは高いらしいし。
それでも、外国語で診療を受けなければならないし、どれぐらいお金がかかるのかもわからない。
海外で体調を崩すと、かなり不安です。
海外出張には、体調を整えて臨みたいものです。
ペットボトルの水
浸透圧に関する講義をするとき、ついでに「逆浸透水」について説明しています。
圧力をかけて膜を通して精製した水で、安い飲料水の多くはこれです。
今回のホテル、部屋に2本水を置いてくれていましたが、さすがに逆浸透水でした。
でも、飲み水を部屋においてくれるのは心強いのです。
Air Minumanは飲料水。
マレー語では水がAirです。空気は何て言うのだろう。
一方、「ミネラルウォーター」は、天然水で、値段高めです。
キャップに色がついていて区別できるそうです。
ちなみに、前もどこかで書いたかもしれませんが、日本のコストコで売っていた水の原料は水道水。
暑いので、水分をたくさん取りますが、ホテルに冷蔵庫がないので、飲み物はどうしても小さいサイズしか買えません。
あっという間に、空きペットボトルがたまります。
こんなことをしていたら、プラスチックごみはなくならないし、石油資源も危ない。
でも、ペットボトルなしでどうやって生活できるのか。
タイのように、ガラス瓶でしょうか。
それとも、みんな水筒を持ち歩くのでしょうか。
最近、使い捨てプラスチックストローを使わない運動が広がっています。
マレーシアの共同研究者も、使わないと宣言していました。
ストローなら、使わずに何とか生活できそうです。
実現可能なことからまず始めて、
次はストロー以外にどう広げていくか。知恵が問われます。
ハローホテル
ジャワメダカの研究のために、プトラマレーシア大学(UPM)に、今年二度目の訪問です。
2007年から共同研究を始めて以来、何度も来ていますが、慣れるにしたがって、泊まるところをランクダウンしてきました。
最初は、少し離れたところにあるマリオット、IOIパームリゾート。
共同研究者の自宅に近いサンウェイ、隣の大学Unitenの中にあるホテル。
前回は大学のゲストハウス。
そして今回初めてトライするのは、大学の敷地に近いタマン・スリ・セルダンの街中の庶民的ホテル。
写真正面がローカルなスーパーで、その右に入り口があります。
外国でローカルなホテルに初めて泊まるときは緊張します。
期待通り(?)、部屋の電気がつかなくて人を呼びました。
英語が話せないおじさんでしたが、すぐにやってきて解決。
その他は問題なし。
部屋はインドネシアやマレーシアによくある白タイルの床。
古いカーペットよりはむしろ気持ちいい。
普通に掃除されていて、温水シャワーやエアコンも新しい機械がついています。
エレベーターがないのですが、3階建てだし、荷物が小さいので問題なし。
値段(1泊2000円ちょっと)を考えたら許容範囲。
欲を言えば、冷蔵庫と湯沸と朝食があれば言うことないのですが、さすがにこの値段では無理か。
でも、すぐ隣がスーパーなので、なんでも買えます。
(というより、実はスーパーの上に泊っている。)
ここに泊まることにした理由は、できるだけ、共同研究者の手をわずらわせずに過ごしたいと思うからです。
ホテルの場所によっては、食事も買い物もすべて送迎してもらわなければならず、気を使ってしまいます。
一回二回の訪問なら割り切ってお世話になりますが、回を重ねると、自力で生活できるほうがよいので、今回はここを試したわけです。
結果としては、短期ならOKかなと思いました。
ただ、大学の敷地が広大なので、共同研究者の建物まで歩いて20分。
歩けますが、日中はさすがに暑くてきつい。
しかも、今はモンスーンシーズンなので、毎日ハンパない雨が降る。
結局、仕事の行き帰りは送迎してもらう羽目になりました。
Go on...
毎日、日産に関する報道でもちきりです。
頭の中では、タイタニックのテーマがBGMのように流れ続けています。
単に歌詞の響きのせいで、決して日産をタイタニックに例えているわけではありません。
日産の車、私が学生だった頃ならスカイラインとか、シルビアとか、フェアレディとか、持ち主がドヤ顔で乗っている車種が多かったのですが、今は見かける台数がずいぶん減った気がします。
今一番良く見るのは、いつも職場でお世話になっているセレナ。
あとは、ノートとか。
私のよく行く東南アジアの国々では、日産車は少ない。
強いていえば、X-Trailか。
圧倒的にトヨタ、ホンダ。
とりたてて車好きでもないのに、海外で車に注意しているのは、海外の研究者との暇つぶしの世間話に格好の話題だからです。
Is this Toyota made in Malaysia?
No, just assembled.
とか。
Assembleって、我々はDNA断片情報をつなぎあわせる意味で使いますが、この場合は「組み立てる」の意味です。
他に、国際会議では、Assemblyは総会の意味だったりします。
実は貝社員だった
今回は、いきなり写真です。
東南アジア各国では食用としてポピュラーな貝です。
共同研究者たちは、汚染分析の対象にもよく使っています。
彼らは「コックル(cockle)」と呼んでいて、
「日本にいるか?」とよく聞かれるのですが、
アカガイとは似てるけど違うし、日本では馴染みがない貝だと思い込んでいました。
たまたま文献を調べていて気が付いたのですが、
これ、「ハイガイ」だったのですね。
返事だけ「ハイー」と元気なダメ社員。
この写真では左上の貝です。
公式サイトには社員の学名まで書いてあるとは知りませんでした。
チャラいキャラのムール貝の学名も、
ちゃんとMytilus galloprovincialisと書いてあります。
彼女はヨーロッパイガイ(Mytilus edulis)ではなかったのですね。
ちなみに、学名は斜体(イタリック)で書かなければならないのですが、そこまで言うのは野暮というものでしょう。
いつか、シンカイヒバリガイなど登場してほしいものです。
それって「学問の自由」のせい?
大学の研究者が標的型サイバー攻撃のターゲットになり、政策の情報が漏洩したとの記事を最近読みました。
大学教員は最も重要な仕事として論文を書きます。
論文を書くと、内容について問い合わせができるよう、所属機関とeメールアドレスなどの連絡先が掲載されます。
また、公的資金を使う研究者は、情報開示の原則から、研究内容はもちろんのこと、職歴や各種役職までネット上に出ます。
標的型攻撃に必要な情報が露出している大学教員は、官庁や企業よりずっと攻撃されやすい立場にあります。
攻撃から防衛するためには、防衛のための資金が必要です。
最近の大学の予算は、経常的な運営交付金は削減され、競争的資金の割合が多くなっています。
競争的資金は、提案した研究のために使用するものなので、サイバー攻撃の防衛には使えません。
少なくなった経常的予算の余力でできることには限界があると思います。
決して、「学問の自由」を盾に管理されることを嫌う教員の意識とか、部局の足並みの乱れとかが本質的な問題ではないと思うのです。
いじめられる側のやり方を責めるのでなく、支援する方法を。
そして、いじめる側を止めることをもっと考えてほしいと思います。